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zoom RSS やってくれましたね、小泉君

<<   作成日時 : 2006/08/16 13:01   >>

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icon 終戦記念日である昨15日、内閣総理大臣の小泉純一郎君は、ついに終戦記念日での靖国参拝をやってくれちゃいました。「どうせ自分は9月まで。おまけにいつ行ったって文句が出る。なら、総裁選での公約も果たせるし、15日に行っちゃえ、行っちゃえ」ということで、心の問題の解決を図ることにしたのかわかりませんが、さすがは戦後史上最悪の総理大臣、見事な最後っ屁のかましぶりです。
 靖国参拝後の首相官邸での記者団に対するコメントを見ると、いつも通りの小泉節、論点を巧みにすり替えて自己の正当性を主張してゆく。実にはぐらかしの上手いお方です。

 小泉首相が15日の靖国神社に参拝後、首相官邸で記者団に説明した。
「過去5年間の私の靖国参拝に対する批判は3点に要約される。一つは中国、韓国が不愉快な思いをしているから、やめろという意見。私は日中、日韓友好論者だ。一つの意見の違いがあると首脳会談を行わないことがいいのかどうか。私を批判する方は、つきつめれば中国、韓国が不快に思うことはやるなということだ。もし、私が一つの問題で不愉快な思いをしたから中国、韓国と首脳会談を行わない、と言ったらどちらを批判するか。
 もうひとつは、A級戦犯が合祀されているから行っちゃいかんという議論。私は特定の人に対して参拝しているんじゃない。一部で許せない人がいるから、圧倒的多数の戦没者の方々に対して哀悼の念を持って参拝するのがなぜ悪いのか。私はA級戦犯のために行っているんじゃない。
 第3点は憲法違反だから、参拝をしちゃいかんと。憲法第19条、思想および良心の自由は、これを侵してはならない。これをどう考えるか。まさに心の問題」

 批判される要因を3点に集約したところは、わかりやすくて親切だし、確かにその通りと思える内容。しかし、個々の内容に踏み込んでゆくと、話がズレてゆく。これが小泉論法の特徴であり、わずかな事実をもとにして自分に都合良い方向へと話を展開させてゆくというのは、詐欺師が良く用いる方法。

 まずは1つ目の「中国、韓国が不愉快な思いをしているから、やめろという意見」に対する回答。なぜ中国や韓国が不快感を示するのかということを鑑みることなく、中国や韓国が単に「不愉快だからやめろ」といちゃもんをつけているとして、中国や韓国の行為を貶め、原因は中国・韓国側にあるのであって、私か批判される筋合いはないとしている。
 確かに、中国や韓国の日本に対する感情的な反応に関しては、私自身も「イイ加減にしとけよ」を感じることもあり、その責任を中国や韓国に押しつける論調には、思わず「そうだ」とうなずいてしまいたくなります。しかし、中国や韓国の扇情的・感情的な反応が悪であるのなら、自らのそうした言動も慎まなければなりません。中国や韓国の反応に対し、悪のレッテルを貼って同じく感情的な対応をするのでは、やってることに変わりはありません。
 中国や韓国が首相の靖国参拝をなぜ問題視し、どうして感情的な反応が起こるのか。そうしたことに言及せず、問題を「不愉快な思いをしているからやめろ」と単純化して、責任は中国・韓国にあるとする。こうした論調は、アジテイターとして合格かもしれないが、一国の首相としては不合格。首相として不適格です。
 また、引用した箇所には出てないが、「私が靖国参拝をしなければ、日中の問題は解決するのか。そうではないでしょ」といった内容のことも述べています。しかし、これは話が飛躍しすぎ。
 首相が靖国参拝を止めれば日中問題の解決がつくなどという、極端な意見を口にしている批判者はどこにもいません。問題とされているのは、首相が靖国参拝を行なうことで、日中、日韓の関係において、不信感や感情的なわだかまりが生じ、対話すら行なわれないような状況が生じているということです。しかし、単純化と飛躍による小泉論法ではこうしたことは無視され、自分には一切問題はなく、問題を生じさせているのは中国・韓国であり、そこに乗っかった批判者たちだとする。

 2つ目の「A級戦犯が合祀されているから行っちゃいかんという議論」に対する回答。ここでもまた、はぐらかしが行なわれています。
 A級戦犯が合祀されているのは歴とした事実であり、「私は特定の人に対して参拝しているんじゃない」という論法が成り立つのであれば、逆に「A級戦犯」以外の「戦没者の方々に対して哀悼の念を持って参拝する」ということは成立しなくなります。「A級戦犯」が「特定の人」であれば、同時に「A級戦犯以外の戦没者の方々」も「特定の人」です。両者がともに合祀されている以上、参拝においてどちらか一方だけを峻別することはできません。簡単な論理です。
 にもかかわらず、「A級戦犯」は無視し、「A級戦犯以外の戦没者の方々」のみに哀悼の意を捧げるなどとするのは、スジが通らず、実におかしな見解です。また、これは靖国に合祀されている「A級戦犯」の霊に対する不敬な態度でもあります。さらに、そもそも恣意的に参拝の対象を変えられるのなら、靖国神社に参拝する必要などありません。

 3つ目の「憲法違反だから、参拝をしちゃいかん」に対する回答については、厚顔無恥としか言いようがありません。19条を盾にとる前に20条を遵守することが先決です。政教分離の原則を踏みにじっているばかりか、裁判所より違憲の判決や疑義を受けても自らの意にそぐわなければ無視、司法の判断をないがしろにしている人間に法を口にする資格はありません。
 しかも、問題となっているのは参拝という行為であり、いかなる思想、いかなる良心を持っているかということではありません。靖国神社に祀られている人たちに哀悼の意を抱くなと言っているのではなく、内閣総理大臣という立場にあって、参拝という行為を行うことが問題であり、それは憲法の政教分離の原則に抵触しているということです。
 しかし、小泉首相は「行為の問題」を「心の問題」にすり替え、自らの正当性を主張し、さらには憲法軽視、司法軽視の言動を行なっている。そもそも憲法19条を持ちだすことそれ自体が問題のはぐらかしとなっており、それを口にする資格もなければ、行政府の長である内閣総理大臣としても不適格です。

 以上のように、小泉首相のコメントには、いずれも話のすり替えや飛躍があり、自らの靖国参拝を正当なものとするには不十分であるどころ、そもそものところ論としても成立しえないものとなっています。しかし、小泉論法は話のとっかかりで誰もが納得する事実を提示し、話を単純化してわかりやすい図式にしているため、そのすり替えや飛躍が気づかれにくく、たとえ「あれっ?」となっても、話の勢いに流され、その場では納得したような気になってしまうので、始末に負えません。

「どうして首相が靖国神社に参拝してはいけないんですか」。27歳の会社員は、逆に問い返してきた。「国のために命を捨てた人を、国の指導者が追悼するのは当然じゃないですか」

 これが小泉論法による詐術のもたらした結果なのかはわかりませんが、首相の靖国参拝を頭から「当然だ」と思い込んでいる人が出てきていることには危惧の念を覚えざるをえません。靖国の参拝が「国の指導者が追悼するのは当然じゃないですか」などという単純なものであれば、とっくの昔にこんな問題は解決しています。
 しかし、靖国神社の問題は依然として未解決のままです。では、なぜ未解決のままなのでしょうか。
 本音を言えば、こんな問題などさっさと片づけてしまってもらいたいです。しかし、戦後61年経った今でも、この問題は解決されることなく存在しています。靖国問題には、それだけの根深さと複雑さが存在しているのです。
 そうしたことを考えもせずに、「当然じゃないですか」とする単純な思考の持ち主が増えてゆけば、為政者にとっては実に具合のイイ世の中ができてきます。簡単に思い込みやすい人間が増えてくれば、再び戦争への道を歩むことも容易なことになります。深く考えず、与えられたものをただ丸飲みし、自分たちは正しいと思い込めば、「正義」の名のもとに戦争を起こすなど簡単なことです。
 また、この意見の中には「国のために命を捨てた人」とありますが、靖国神社に祀られている人たちをそうやって単純に理解してしまって良いのでしょうか。「国の指導者」とありますけど、正確には「国家の指導者」であり、「国」と「国家」は別モノです。靖国神社に祀られた人たちは、「国」のために戦ったのか、それとも「国家」のために戦ったのか。
「国の指導者が追悼するのは当然じゃないですか」などという単純な意見を持っている人には、こうしたことをあらためて考えてもらいたいです。そうすれば、靖国の問題が持っている根深さや複雑さに気づき、この問題が「当然じゃないですか」で済ませられるものではないことが理解できるでしょうから。

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 例の靖国参拝のニュースを知り、ネット掲示板の反応をチラリと見、ああこの国は、この国の総理大臣は、と一旦めげました。 ...続きを見る
野良狸の巣
2006/08/16 19:50

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