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zoom RSS 生ける屍と化した麻生内閣は死なない?

<<   作成日時 : 2009/02/21 02:13   >>

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icon 先週、小泉元首相に「笑っちゃうね」とダメを押されたばかりか、「俺の悲願でもあれば足跡でもある郵政民営化を壊そうと言うのなら、テメェがゴリ押しで進めた定額給付金もぶっ潰してやろうか、こらぁ」と、恫喝まがいの発言まで投げつけられてしまった麻生へのへのもへじ太郎君。
 その影響が冷めやらぬ週末の14日、今度はG7に出席していた中川財務・金融大臣が、記者会見で酩酊状態と取れる醜態を見せ、世界に恥を曝す始末。
 さらに、その帰国後、16日には「酒は飲んでいない」「口をつけただけ」「たしなんだ程度」「ごっくんはしていない」などの珍回答とともに「原因は風邪」と苦しい言い訳をし、「辞任の必要はないと言われた」「辞めない」と、罷免されることもなければ辞任の意思もないことを表明していた中川財務・金融大臣。にもかかわらず、翌日の17日の昼には「予算案の衆院通過後に辞任する」と辞意を表明したかと思ったら、その夜には「辞表を提出した」で即辞任となり、「病院で寝てくる」と言い残してさようなら。どっかの元首相が「笑っちゃうね」なんてことを言っていたけど、「ははっ...」と、力なく笑うしかないドタバタ劇を見せてくれました。

 支持率も低下する一方であれば、党内での求心力もないに等しくなっている麻生太郎君にとって、小泉元首相の発言と、中川財務・金融大臣の醜態を曝した挙句の辞任は、とどめも言えるダブルパンチ。ミドル級の世界チャンピオンであったマービン・ハグラーが、ラスベガスで行なわれたトーマス・ハーンズとの防衛戦で、ハーンズをノックダウンした左右のフックに等しい致命的な2発です。
 しかし、ハーンズは倒れても、麻生首相は倒れない。対ホセ・メンドーサ戦における矢吹丈さながらに、どんなにパンチを喰らっても、ゆらり、ゆらり、とホセへと向ってゆく。

 ここにいる男は誰だ? 誰なんだ?
 タロウ・アソウ....
 いや、そんなはずはない。彼は非難のパンチを数限りなく浴びてとうに死んでいるはずだ。
 では現に、こうして総理の座に居座っている男は?
 ああっ、私たちは今恐ろしい夢を見ている。
 おそらく私たちはかつてタロウ・アソウと呼ばれた首相の幻影と、幻と闘っているのだ....
 勝てるはずなどない幻に、私たちが....

 すでに死に体であるはずなのに絶対に倒れない麻生内閣。昨年末から年頭にかけての民主党の対応を見ても手詰まり感がありありでしたし、その後もあれやこれやと手を打って解散へと追い込もうとしても、解散へと至る模様も見えなければ内閣総辞職の気配もなく、とどめを刺すことができない。
 これは民主党を筆頭とする野党の追及の仕方が手ぬるかったり、戦略の立て方が甘かったりしたからという理由によるものではありません。どんなに追い込んでも、と言うより、追い込めば追い込むほど、逆に解散は遠のき、麻生内閣の延命につながってゆきます。
 理由は簡単。内閣支持率が下がる一方であるばかりか、自民党の支持率までが低下している現状では、解散に踏みきることができないからです。麻生首相を始めとする自民党の面々に、負けるとわかっている戦いに挑む気概があるはずがありません。
 特に、麻生首相にとっては、解散に打って出て負ければその責任を取らされるだけでなく、たいへんな汚名をかぶせられることになる。幸運にも過半数を取れたとしても、首相の座に残ることはまず無理であるばかりでなく、おそらくたいした影響力を持たないただの一議員へと堕することでしょう。いずれに転ぶにしても、解散総選挙は麻生首相にとってマイナスの現実しかもたらしません。

 これまでなら、支持率が低下し、党内での求心力も失っていれば、自民党自身が首相である総裁という首をすげ替えるか、それを前提にするかして、解散総選挙に打って出るというのが常道でした。つまり、首相の首を切り落とす役割は、野党ではなく、与党である自民党が担うものだったということです。
 しかし、今回の場合、06年の9月に予告通り小泉首相が辞任した後、安倍、福田と2代続いて首相が1年足らずで政権をおっぽり出して突然辞任するという異常事態を経て、昨年の9月に麻生内閣が成立したばかりです。それが半年も経たずに「これも間違いでした」とはさすがにしにくい。すでに自民党は大義を失っているけれど、これでは名分すら立たない。
 もともと麻生首相自体が、総選挙のために選ばれた総裁であり、就任から間を置かずして解散に打って出るというのが前提になっていたはずです。しかし、麻生君が首相でいることに色気を出したのか、それとも支持率がたいして上がらなかったためなのか、就任直後の解散は見送りとなり、その機を失したまま、ぐだぐだの状態になって現在に至っています。

 ここまでひどい状態になれば、さすがに「もはや名分などには構っていられない」と、麻生首相を切り捨てる動きが出て来ても不思議はありません。しかし、新しい神輿を担ごうにも、その新しい神輿が見つからない。そんな寒々しい状況にあるのが現在の自民党であり、これがまた麻生首相の延命につながり、このぐだぐだの状況を長引かせることになっています。
 だいたいが力量も器量も足らず、首相の座に就けるような人物ではない麻生君を、「人気があるみたいだから」と、総選挙のために総裁にするしかなかった時点で、すでに自民党には担ぐべき神輿となる人物が存在していないことを証明しています。このことは麻生首相だけでなく、内閣及び自民党の執行部の面々を見ても言えることであり、昔ならその座に就けるようなことはなかったであろう小物ばかりが集まっており、自民党は政党として末期的な状況にあります。

 さらに末期的とも言えるのは、ちらちらと囁かれ始めた「ポスト麻生」ということについても、その名が挙げられたところで、すべては他薦であり、言葉通り囁きのレヴェルにすぎません。誰も自らが自民党総裁に、ひいては日本国の首相に就こうという意欲を見せることがない。このことは現在の麻生首相下においてだけではありませんが、自ら「私がやる」と宣言し、総裁の椅子を、首相の座を目指す人物がいないというのは、自民党がお粗末で不毛な状況にあることを示しています。
 かつて自民党内における派閥は、その領袖を首相の座に就けるための内部権力闘争機関でした。しかし、経世会・竹下派が金丸派となった頃、1980年代の後半ぐらいからでしょうか、次第に派閥の領袖が首相の座を目指そうとせず、派閥内の子飼いの人物を自民総裁に押し立て、キングメイカー、フィクサー的存在として留まるというようになってきました。
 このことが人物の矮小化を招き、さらに小選挙区比例代表制による執行部の権限の集中と権力の増大がそれに拍車をかけ、卑小な人物しか存在できないような状況を招いたと考えられます。
 派閥の領袖が自ら総裁として、首相として立とうという気概がなく、陰で蠢くことを画策していて、どうしてそんな派閥から志のある有能な人物が育つというのでしょうか。さらに、権力の集中した執行部に反発することもできず、「勝ち馬に乗れ」となるばかりでは、他人の褌で相撲を取るような連中しか出て来やしません。
 もちろん、派閥には弊害があり、その領袖が権力闘争を経て自民党総裁、ひいては総理大臣の椅子に就くということが良いということではありません。しかし、自らは表に立とうとせず、傀儡を仕立てて陰でこそこそと手を回しているようなことに比べればまだマシです。また、自らが首相の座に就くために権力闘争を戦い抜いてゆくバイタリティを持っているということは、良きにつけ、悪しきにつれ、人物の大きさにもつながっていたと思います。

 Wikipediaの「自由民主党の派閥」の項目にある「自民党の派閥一覧」を見ると、自民党の派閥は2008年6月現在で以下のようになっていました。

   ・町村派(清和政策研究会) - 89人(衆62人、参27人)
   ・津島派(平成研究会) - 70人(衆47人、参23人)
   ・古賀派(宏池会) - 62人(衆51人、参11人)
   ・山崎派(近未来政治研究会) - 41人(衆38人、参3人)
   ・伊吹派(志帥会) - 28人(衆22人、参6人)
   ・麻生派(為公会) - 20人(衆16人、参4人)
   ・二階派(新しい波) - 16人(衆14人、参2人)
   ・高村派(番町政策研究所) - 15人(衆14人、参1人)

 2008年の6月ということでは、その後の9月に福田首相が辞任し、総裁選が行なわれており、そのことからすると、今回は派閥の領袖が総裁の座に就いたかつてのパターンといえます。また、麻生首相はそれまでにも3回、総裁選に出馬しており、4度目でようやく総裁の座に就いたということでは、自民党総裁に、そうして日本国の総理大臣になりたくて仕方なかったと見ることができます。
 しかし、他の派閥を見れば、派閥にその名を冠されている人物は誰一人として総裁選に出たこともなければ、出ようとさえしていない。自らが総裁の座に就き、総理大臣となった際には、何を行い、日本の将来をどのようにしたいかなどのヴィジョンを示すことさえない。そのくせ、陰でこそこそ蠢き、何か事があれば、ああでもないこうでもないと口出しはしてくる。そんな連中自身はもちろんのこと、その下から出て来る人物に、リーダーシップだとかいったものを求めるというのは土台無理な話です。

 また、派閥の領袖ではなくても、構造改革推進派、所謂「上げ潮派」のリーダーということでマスコミで名を挙げられることの多い中川秀直にしても、陰であれこれ動いても自らは先頭に立とうとしておらず、福田首相辞任後の総裁選でも、小池百合子を候補者に仕立て、自らはそれを支援するという形をとりました(しかし、小池百合子の推薦人の中にはその名を連ねていない)。
 今回の中川昭一財務・金融大臣辞任のドタバタ劇においても、後藤田正純が麻生首相に退陣を求めるコメントを発しましたが、結局、それも他人頼み。退陣を求めたというところまでは評価できましたけど、自らはどうするのかということは口にせず、他人の褌で相撲を取ろうとしているだけでした。

 自民党の後藤田正純衆院議員は18日、「麻生内閣は危機管理能力のなさを露呈し、信頼という誠実さがない。誰が総理であるべきか、しっかりと示さないと、自民党は終わる。できれば禅譲していただき、若い世代に自民党を託してもらいたい」と述べ、麻生首相の退陣を要求した。党本部で記者団に語った。

 後藤田氏は、麻生首相では総選挙は戦えないとの認識を示し、「予算を通し、国会が終わった後、7月のサミットで新しい自民党を世界に発信したうえで総選挙で民意を問う以外にない」と強調。「ポスト麻生」候補として、石破農水相と野田消費者行政担当相の名前を挙げた。

 「若い世代に自民党を託してもらいたい」と言って、続く言葉は「自らはどうするのか」ではなく、託すべき人は石破茂に野田聖子ですか。鼻で笑っちゃいますね。

 こんな連中の集まりなのですから、麻生内閣の支持率がどれほど低下しても、現在のぐだぐだの状況をいたずら長引かせることしかできないのは当然のことと言えます。そうして、ようやく囁かれ始めた「ポスト麻生」ということに関しても、「予算案成立後に」などというふざけたことを口にするのです。
 退陣することが決まっている内閣において成立する予算案って、何なんですか。これじゃ、現経営陣の総退陣が決まってはいるものの、後任は決まっていない状況下で提出された事業計画書でもって、融資を求めているようなものです。
 国民生活ということを名分にして予算を人質に取り、解散総選挙という餌を見せつけることで、民主党を釣り上げ、とにかく予算は成立させる。その予算案の成立という乏しい実績を1枚だけの集魚板にし、補正予算を撒き餌とすることで、選挙民を欺き、何とか総選挙を凌いで過半数を維持して政権を保とうとする。醜い悪あがきもここまで来たかと、怒りと苛立ちを心の奥底に沈めてしまうほどに呆れる他ない自民党のぶざまさです。

 「ポスト麻生」が囁かれ始めたとは言え、本人に辞める気がなければそれまでです。また、半年も経たない内に首相退陣では名分が立たないということには変わりはなく、担ぐべき神輿もないという状況もまた同様です。
 ただ、担ぐべき神輿、つまり対総選挙用の看板ということでは、先の後藤田正純の発言と、先週、麻生首相にダメを押し、昨日、定額給付金の関連法案の衆院での再可決の際には欠席するとした小泉元首相の動きに、奇策の手がかりがうかがえます。
 後藤田正純が名を挙げたのは、石破茂と野田聖子。石破茂は知名度はあっても人気はナシ。しかも、福田政権下の防衛大臣時に下手を打っていますし、昨年の総裁選に人数合わせで立候補して破れてますから、この線はまずないでしょう。あるとすれば、知名度もあれば、そこそこ人気もありそうな野田聖子の方です。
 一方、小泉元首相と言えば構造改革であり、そうなれば「上げ潮派」である小池百合子の名が出てきます。石破茂同様、昨年の総裁に出馬し、破れたとは言え、今回は前回とは状況が異なり、郵政民営化を逆行させようとする流れがあり、小泉元首相が麻生現首相に対して完全にダメを押してもいます。前回はアテ馬立候補でしたが、今回は前回より条件が良いです。

 郵政民営化に反対し、刺客を送られながらも、見事当選を果たした気骨の女性野田聖子。現状では主流とは言えませんが、郵政民営化を退行させようという流れがあり、現在の不況下において派遣・非正規雇用の問題や介護の問題などで、小泉構造改革をその元凶と見る傾向が強くなっており、その小泉郵政民営化に反旗を翻したというのは大きなポイントとなります。また、後藤田正純が名を挙げたように、若手が担ぎ上げることによって、現在の状況をもたらした自民党の古き面々、古き体質の打破というイメージから、自民党の若返りや再生ということも売りにできます。
 一方の小池百合子に関しても、小泉元首相が麻生首相にダメを押したことで、現在の自民党の状況をもたらした主流派と小泉元首相は袂を分かったことになり、その小泉元首相が小池百合子を推すのなら、同様に彼女も主流派に戦いを挑むマドンナというイメージが出て来ます。この対立の図式は、小泉元首相がかつて自らが総理であったときに、自らを改革の旗手とし、それを阻もうとする人たちを「抵抗勢力」としたことと類似します。

 いずれにしても、現在の状況を生み出した自民党の体質や上層部というものに対抗し、自民党を再生するということが大きなポイントであり、売りになる名分を立てるのならこの一点においてです。そうでなければ、安倍・福田と2代続けて政権をぶん投げるような総理を出した末に麻生内閣を生み出した自民党に対する不信感を、わずかでも拭うことはできません。両者はともにこの点を満たすイメージを持つことができます。
 また、他にもう一点、両者に共通するのは、2人とも女性であるということです。いずれが総裁選を制するにせよ、総選挙で自民党が過半数を得れば、日本初の女性総理大臣が誕生するということになります。アメリカで黒人で初となるオバマ大統領が選ばれたように、日本においてもはじめて女性の総理大臣が誕生するということは、「変化」を印象づける売りとなります。
 昨年行なわれたアメリカの大統領選同様、今年行なわれる総選挙で大きなポイントとなるのは「変化・変革」ということだと思います。一見すると、未曽有の経済悪化、不況に対する景気対策ということが争点になるように思われますが、旧態依然とした景気対策ではダメだということは国民も理解しています。また、年金問題や官僚の天下り問題、増税の問題など、こうした問題を解決するのには、これまでのやり方を根底から変えなければいけないということも理解しています。良く言われるリーダーシップということも、結局のところは、英断を下し、ズバッと変えてくれということだと思います。
 さらに、現在の国会や国政の状況を見れば、「変化」が求められるのは当然のことです。国民の多数が反対している定額給付金を取りやめることができず、支持率が低下する一方の麻生内閣をどうすることもできずに、今はとにかく支えるしかないとされているこのグダグダの状況を、腹立たしさと歯がゆさが入り雑じった気持ちでただ見ているしかない国民からすれば、「変化」をもたらしてくれる人物の登場が、今一番に求められていることです。かつて小泉元首相が高支持率を得たのも、「変化」を求める国民の気持ちに彼のイメージ戦略がぴったりハマったことによるのであり、その気持ちは現在、さらに高まっています。

 こうしたことを理解していれば、「ポスト麻生」ということで自民党が担ぎ上げられる神輿は、野田聖子と小池百合子の女性2人しか出てこないでしょう。
 とは言え、仮にそこまで理解していたとしても、自らは表に出ようとせず、陰でこそこそやってばかりいる連中に、ここまでの図式を描けるだけの知恵とそれを実行に移すだけの度胸があるかどうか。政界引退を表明し、バクチの打てる小泉君ならやりかねないけど、他はどうでしょうね。決断し、行動に移せなければ、すったもんだしながらも、このままグダグダの状況が秋まで続き、任期満了による総選挙ということになるでしょう。
 先にも書いた通り、民主党を始めとする野党には、麻生内閣のとどめを刺すことができません。とどめを刺せるのは、与党であり、自らの総裁が内閣総理大臣である自民党だけ。麻生首相本人に辞める気がなければ、そうなります。
 ただ、自らを飾りたがる人間というものは、往々にしてその中身は貧弱で脆弱。党内でも追いつめられ、追い込まれた麻生首相が、前2代の首相よろしく、ついにはブチ切れて「勝手放題言いやがって、やってられっかってんだ。そんなに言うのならテメェら自身でどうにかしろっ!」と、ヤケ糞ぶん投げ解散、なんてこともあるかもしれません。
 まっ、そっちの方が楽しいには楽しいんですけどね。

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