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zoom RSS 返済猶予、ホントにやるつもりなの?

<<   作成日時 : 2009/09/29 23:40   >>

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icon 国民新党がマニフェストに盛り込み、金融担当大臣に就任した亀井代表が吠えまくっている、中小企業や個人を対象にした金融機関からの借金返済を猶予する法案、いわゆる「モラトリアム法案」。
 これ、あたしゃ、「そんなもん、できるわけないだろ」とも「そこまでやるほどバカじゃないだろ」とも思っていました。また、「これって、国民新党を切り捨てるための方策じゃないの?」と、穿った見方さえもしていました。

 鳩山内閣の閣僚の中で、「へっ?」となったひとつが亀井静香の金融担当大臣の就任。郵政改革担当大臣の方はまだわかります。国民新党なんて、郵政民営化の見直しを主張するだけの党。それ以外には、主張すべきものもなければ、まともな政策もないのですから、その唯一のレーゾンデートルである郵政民営化の見直しを担当する長にその代表を据えてあげることには理解がゆきます。
 しかし、金融担当大臣に関しては、畑違いという印象が拭えず、「ホントに全うできるの?」と疑問と不安がてんこ盛りでした。そうして、就任早々に打ち出したのが、このモラトリアム法案。おかげで銀行株が売られ、株価が下落するということになっています。

 返済猶予に関しては国民新党のマニフェストに書かれており、亀井代表が金融担当大臣になれば、そのことを打ち出すことは予想しうることであり、なぜこんな爆弾を抱えるようなことになる人物を金融担当大臣に就任させたのか。また、モラトリアム法案に関しても強気な発言が続いており、なぜそんな発言を放置しているのか。そうした疑問に対する答えとして出て来たのが、「亀井静香の金融担当大臣の就任は国民新党を連立から外すための方策なんじゃないか」というものでした。
 選挙前は民主党がここまで議席を獲得できるとは予測できず、国民新党と社民党との連立を約束したものの、結果が出てみれば308議席獲得で民主党の圧勝。参議院との絡みもあるので、簡単に連立の約束を反故にするわけには行かないというのも理解できます。また、何よりも「圧勝したから連立はナシよ」では印象が悪い。
 そこで、連立の約束は履行するけれど、問題を起こしたら即切り捨てる。選挙後の3党での話し合いでは「党首クラスの入閣を」ということで、国民新党からは亀井代表、社民党からは福島代表と、両党の党首が入閣しました。その入閣した党首が更迭ということになれば、無論、連立なんてものが続けられるわけがありません。
 もちろん、そんなことになれば、鳩山首相の任命責任というものも問われることになるでしょう。しかし、更迭へと至る経緯如何でその影響を抑えることは可能でしょうし、選挙に圧勝したから約束を反故にしたという悪印象を抱えて船出するよりはそちらの方がまだマシ。同じ切り捨てるなら、より名分が立つ方を。そうした算段で、亀井代表を火種となりそうなところに就けたのではないか。
 実際、放置しておくことで、上手い具合に亀井代表も調子に乗って強気な発言を連発し、「反対なら更迭すればイイ」とまで言いきるようになっている。このまま機を見計らって「モラトリアムは行なわない」と断ずれば、亀井静香は自滅。更迭するまでもなく辞任という道を選択するかもしれない。
 昨日、モラトリアム法案について考えていたら、「これって、計画通りに事が運んでいるということなのかな?」なんてことを思うようになっていました。

 亀井静香金融・郵政改革担当相は27日のテレビ朝日の番組で、中小企業などの融資返済を猶予する制度の導入について、「鳩山由紀夫首相は(反対なら)わたしを更迭すればいい。できっこない。最初から合意している話だ」と強気な発言を繰り返し、実現に自信を見せた。亀井氏は出演後、記者団に「首相とは価値観を共有している。『友愛』を返済猶予の形で実現していく。首相も喜んでいると思う」とも語った。

 しかし、今日の動きを見ていると、それは穿ちすぎた見方で、民主党の方もこのモラトリアム法案という愚行を実行に移そうしているようで、さっき見たTBSのTHE NEWSでは、鳩山首相が「モラトリアムということは民主党でも検討していた」とコメントする映像が出ていました。28日の記者団に対するコメントでは鳩山首相、「モラトリアムは3党合意に含まれてない」と、亀井金融担当大臣の発言を否定していたんですけど、ホント、どうなんでしょ。

 鳩山首相は28日、記者団に対し、銀行からの借金の返済を猶予する措置(モラトリアム)について、「モラトリアムということまで(連立3党で)合意しているわけではない」と述べた。亀井金融相は、モラトリアムが3党の合意に含まれていると繰り返していたが、首相として慎重な検討を求めた形だ。

 鳩山由紀夫首相は28日夜、亀井静香金融担当相が法案化を目指している中小企業・個人向け融資の返済猶予制度について「中小企業の多くの方々が今、大変資金繰りで困っている。何らかの手だてが必要だ」と述べた。その上で「担当相を中心にしっかり議論して、政治主導で良い答えを見いだせるのではないか」として、当面は亀井担当相ら関係閣僚らの議論を見守る考えを示した。首相官邸で記者団に語った。

 大塚耕平内閣府副大臣(金融担当)は28日のBSフジの番組で、中小企業に対する「貸し渋り・貸しはがし防止法案」(仮称)の概要を10月9日をめどにまとめる方針を明らかにした。亀井静香金融相が導入に意欲を示している、中小企業などの融資返済を猶予する制度も盛り込む方向で検討しており、企業と金融機関の双方から意見を聞く。 
 大塚副大臣のほか政務官、与党3党関係者は29日に法案化を協議する初会合を開き、10月下旬召集の臨時国会に法案を提出できるよう作業を急ぐ。

 確かに、いくつかの記事を見て見ると、鳩山首相は3党合意に関しては否定していても、モラトリアム法案そのものは否定しておらず、「担当相を中心にしっかり議論して、政治主導で良い答えを見いだせるのではないか」と、様子見の状態。その担当閣僚のひとりである大塚耕平金融担当副大臣は「貸し渋り・貸しはがし防止法案」に返済猶予の制度を盛り込む意向で検討していると、テレビで発言したとのことでした。

 しかし、こんな愚行を本当に敢行するつもりなんでしょうか。こんなことをすれば、金融制度そのものがおかしくなるのは素人目に見ても明らかです。貸借契約という約束事が当事者間の話し合いではなく、第三者である政府の命によって一律に変更される。こんなことになれば、契約そのものが成り立たなくなり、契約を前提として成立している制度そのものが根底から瓦解することになります。
 また、「貸し渋り・貸しはがし」防止の一環として返済猶予を含めるとのことですが、こんなことをすれば、「貸しはがし」は抑制されることはあっても、「貸し渋り」の方は反対に拍車がかかることになります。返済の猶予なんてことが認められてしまうような状況で、どうして融資なんてものができるというのでしょうか。
 中小企業の資金繰り対策、言い換えれば、弱者救済ということなんでしょうが、このモラトリアム法案が実際に履行されれば、弱者を救済するどころか、弱者をより苦しめ、追い込むことへとつながってゆきます。さらに、金融機関にも負担を強いることになるのですから、短期的には弱者救済ということにはなっても、中長期的に見れば、誰も救われず、より厳しい状態に落ち込むだけであり、残るのは契約制度の瓦解した不安と不信の広がる社会です。

 だいたいが、この制度には制度を利用した先にある展望、つまり「次」がありません。返済が猶予されたとして、果たしてどうなるというのでしょう。
 確かに、一時的に返済が猶予されれば、そのときは楽になります。しかし、猶予された先はどうなっているのでしょう?
 この制度は景気が非常に厳しい現在の状況だから必要とのことですが、果たして景気が望む通りに回復することがあるのでしょうか? たとえ回復するにしても、それが返済猶予が認められている期間で戻ることはあるのでしょうか?
 よしんば、返済猶予が認められている期間に景気が回復したとしても、それでその会社の業績も回復するのでしょうか?
 中小企業の救済と言って返済の猶予をしたとしても、そんなものは一時しのぎの意味しか持ちえません。そのかりそめでしかない一時しのぎであっても、資金難、経営難に喘ぐ中小企業にあっては、地獄におけるクモの糸のようなものでしょう。しかし、それで現在を乗り越えた先に何があるのか。それを示せなければ、本当の救済にはなりえず、一時しのぎは遅かれ早かれとしかならず、結局、結末は同じということになります。
 「この時期を乗り越えれば」「今月の手形さえ何とかなれば」、良くあるもの言いですが、その先において具体的で確実な方策や当てというものがなければ、単に神風をあてにしているにすぎません。そうして、その幸運の風が吹かなければ、同じことが繰り返されて徐々に追い込まれてゆき、最後にはどこにも逃げ場がなくなって行き止まりとなるだけです。残酷な言い方ですが、「次」を持たず、現在を乗りきることだけに汲々としているところはまず潰れます。
 モラトリアム法案というものは、その神風を当てにし、神風が吹いたら桶屋もみんなも儲かるということを前提にしたものです。その前提自体が博打とも呼べない宝くじ状態にあるものを敢行したところで、いったいどれだけの中小企業が救われるというのでしょう。

 「景気が回復すれば」と良く言われます。しかし、その景気回復には産業構造や社会構造の変化が伴います。その変化を伴った景気回復がなった先において、業績を回復させることができるのか。当の経営者でさえ予測ができないことを、第三者が一概に予想できるはずがありません。
 確かに、返済を猶予されることで生き残ることができるところもあるでしょう。しかし、それは各中小企業の業種や業績、経営状況などによって異なってきます。それは第三者がおいそれと判断できるものではありません。実際に、存続可能な中小企業には金融機関が返済を猶予するというケースもあると思います。
 ですから、もし返済猶予ということを行なおうというのであれば、法律で一律に強制するのではなく、各金融機関が個別に返済猶予を行なえるようなバックアップ体制を作るべきだと思います。ただ、それがどのようなものかということを具体的に示せないのは素人の悲しいところ。しかし、国が法律によって一律に返済の猶予を履行させるというのは、その素人から見ても明らかに間違ったことであり、それによる悪影響の方がはるかに大きいということは予想できます。

 亀井金融担当大臣が言う返済猶予には、中小企業の借金だけでなく、個人の住宅ローン含まれていますが、個人の住宅ローンに関しても同じことです。だいたいがローンを組んだ時点で、払えないというリスクは織り込み済みのはずです。払えなければ、購入した住宅を手放すしかありません。
 確かに、せっかく購入し、現在住んでいる住宅を手放すということは残酷なことであり、情に忍びないところがあります。また、住宅を売却したとしても、ローンの残金を全部消せるとは限りません。売却額がローン残高に満たないことは十分に考えられることです。
 しかし、中小企業に対して述べたことは個人の住宅ローンにも言えることであり、たとえ景気が回復したからと言って、そのままのローン返済が可能であるかどうかの保証はなく、ここでも「次」はありません。
 また、住宅を売却してもローンの残高が残ってしまう場合は、債務整理を行なえばいいだけのことです。住宅を売却をすれば他に資産となるものは車ぐらいしかないでしょうから、資格制限に引っかかる職業に就いている人以外は、自己破産しても不利益を被ることはなく、免責を受けられれば借金はなくなります。そうやって身軽になるのも、ひとつの手です。
 誰もが豊かな生活を送れるなどというのは、あたしは幻想だとしか思っていません。しかし、それぞれの身の丈にあった生活を送れるようにするべきだとは思っています。何かがあった時、生活のレヴェルがひとつふたつ落ちる程度で済む。セーフティネットとはそういうものだと思います。
 もし個人のローン返済猶予なんて一時しのぎであるばかりか悪影響の方が大きい中途半端なことをするぐらいなら、もっと大胆な方策を採るべきです。あたしが考えたのは、国がローンが残っている住宅を実勢価格で買い上げ、それを元の持ち主に適正な額で貸し出し、景気が回復し、再び収入が上昇した際には、国からその住宅を買い戻す形でローンを組み直す。その際、買い戻しの価格は、国が買い上げたときから借りていたときに支払っていた家賃分を差し引いたものにする。
 これなら負担は金融機関ではなく国が背負うこととなり、ローンをそのまま支払ってゆけるかどうかの見極めもできますから、単に返済を猶予させるよりかは、はるかに有用だと思います。もちろん、国に一時売却している間に家賃を払えなくなったとか、ローンの組み直しができないとかいうときは、残酷ですけど、そこから出ていってもらい、住宅も第三者に売却ということになります。ですが、それでムリなら、返済を猶予したとしても結果は同じことです。
 まあ、この政策を採るとなれば、野党自民党からはバカのひとつ覚えの「財源は!」などという非難が飛んでくることになるでしょうが、「負担を金融機関に押しつけるぐらいなら自ら背負え。それができないなら、半端なことはするな」です。

 中小企業対策にせよ、個人の住宅ローン対策にせよ、この返済猶予政策は単なる一時しのぎにすぎません。それによって救われる場合もあるでしょうが、「次」のない施策では救われないことの方が多く、悪影響も大きいです。
 そんな愚策を実行に移せば、将来に対して禍根を残すばかりでなく、鳩山内閣がまず持ちません。鳩山内閣の前にはいくつもの壁が立ちはだかっていますが、このモラトリアム法案は壁ではなく、爆弾。実行に移せばまず致命傷となる悪影響を及ぼしかねないものです。
 これがあたしの邪推通り、亀井切り、国民新党切りのための方策、でなくても、とにかく実行されないことを願います。

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閑話ノート
2009/09/30 08:13

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