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zoom RSS 男の美学

<<   作成日時 : 2005/12/14 06:16   >>

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icon 最近は「ちょい悪」なんてぇのが流行っているみたいですけど、男はプライドの生き物、とかく格好をつけたがるものです。でも、表面だけの格好つけは、かえってその安っぽいプライドをさらけ出すだけ。
 男子たるもの、格好をつけるのならその生きざまにまで浸透した格好をつけるべきで、時にはその格好つけの代償として、厳しい道を行かなければならないこともあれば、涙を呑まなければならないこともある。しかし、そうした生きざまにまでスジの通った格好つけこそが、男の美学と呼びうるものなのです。

 隆慶一郎の『一夢庵風流記』の冒頭に、以下の一節があります。

 私はこの『辛苦<たしな>みつつ降<くだ>りき』という言葉が好きだ。学者はここに人間のために苦悩する神、堕ちた神の姿を見るが、私は単に一箇の真の男の姿を見る。それで満足である。『辛苦みつつ降』ることも出来ない奴が、何が男かと思う。そして数多くの『傾奇者』たちは、素戔嗚尊<すさのおのみこと>を知ると知らざるとに拘わらず、揃って一言半句の苦情も云うことなく、霖<ながあめ>の中を『辛苦みつつ降』っていった男たちだったように思う。
<『一夢庵風流記』(隆 慶一郎/集英社文庫)より> 

 さて、8日のみずほ証券によるジェイコム株の誤発注問題について、「JIROの独断的日記ココログ版」というブログに「【みずほ証券誤発注問題『証券5社の手法、美しくない』金融相】云うまでもなく、同感である」という記事が書いてありました。
 そこには、与謝野経済財政・金融担当相がみずほ証券の誤発注によって他の証券会社が利益をあげていたことを批判した記事について触れられていました。

 与謝野経済財政・金融担当相は13日の閣議後の記者会見で、みずほ証券による大量の誤発注後にジェイコム株を取得した他の証券会社が大きな利益を得ることについて、「誤発注と認識しながら、他の証券会社がその間隙(かんげき)をぬって自己売買部門で株を取得するというのは美しい話ではない。行動の美学を持つべきだ」と批判した。

 この与謝野経済財政・金融担当相の発言に対し、JIROさんは以下のように書いています。

 Yahoo!掲示板を見ると、「個人投資家」(投資家じゃなくて、投機家だな)が、今回の騒動で如何に大儲けしたか、「自慢大会」を繰り広げている。
 実に「下品」だ。こういうのを「人品が卑しい」という。
 この誤注文によって、ミスをした自分が悪いとはいえ、悲惨な目に遭ったであろうみずほの担当者、その上司、担当役員、とばっちりを受けた東証の社長、富士通のエンジニアが、これから多分、暮れも正月もなく、後始末に奔走しなければならないことなど、想像もしないようだ。
 間違えた人間が悪いと言ったらそれまであるが、ジェイコムやみずほのことを誰も全く考えない世の中というのは、冷たいものだ。
 私は、「世の中厳しいのだ」、などと云いたくない。
 そういう気持ちをここ数日ずっと抱いていたので、担当大臣が、他人の不幸に乗じてはしゃいでいる「大」証券会社の行動を「美しくない」と言ってくれたのは、せめてもの救いだった。

 私も同感です。何年か前に、札幌の西友で肉の偽装表示のお詫びとして料金の返還を行なったら、対象商品の売り上げ金額の3倍以上のお金を取られたなんて事件もありましたが、人のミスや弱みにつけ込んででも金を得ようとするあさましい連中がそこかしこにはびこっているのは、ホント、不愉快なことです。
 先日、パチンコの換金を受けた際、交換所のおばちゃんが金景品の数を間違え、お金を多く渡そうとしてきたことがありました。しかし、私は「数、間違ってますよ」と言って、正しい金額分のお金を受け取って帰ってきました。
 これ、「自分は品行方正だ」なんて自慢をしようというのではありません(品行方正な人間は、風俗に行って淋病を移されたりしません)。ただ、私はそういうのが嫌いなだけです。
 人のミスにつけ込んで自分が得をしようとするのは、気持ちが落ち着きません。また、自分が損するようなミスを相手がしたときはそれを指摘するのに、自分が得するようなときは黙っているというのもアンフェアで、気分が悪いです。
 こういうことは、人がどうこうということではありません。もちろん、そうやって人のミスにつけ込んで、金を得ようとする人もいるでしょう。それが身近な額なら蔑まれるかもしれませんが、数千万、数億ともなると、逆に英雄視されたり、もてはやされたりする風潮もあるかもしれません(「ひとり殺せば殺人だが、百万人を殺せば英雄だ」)。
 しかし、そういうことは関係ありません。そんなことをする自分を自分は許せない。言葉を変えれば、自分の美学に合わない生きざまはしない。そういうことです。

表紙『一夢庵風流記』隆 慶一郎/新潮文庫

表紙『一夢庵風流記』隆 慶一郎/集英社文庫




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◆記事:みずほ証券誤発注 「証券5社の手法 美しくない」金融相   与謝野馨金融 ...続きを見る
JIROの独断的日記ココログ版
2005/12/14 22:29

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。

「JIROの独断的日記」のJIROです。TBありがとうございます。

奇しくも本日、ジェイコム株を大量の買い漁った。UBSをはじめとする
証券会社6社が、この一連の取引で得た収益を全額みずほに返還する
方針、というニュースが流れました。

仰るように、
男の美学ですよね。

月並みな表現を用いれば
「プロとしてのプライド」を大切にして貰いたいとおもいます。

最近の世の中はプロと素人の差があまり無い、というのが
嘆かわしい風潮かと思います。

今後ともよろしくお願い申し上げます。
JIRO
URL
2005/12/14 22:38
 JIROさん、はじめまして。TB&コメント、ありがとうございます。
 確かに、「プロとしてのプライド」ですね。自らの分析や読みによってではなく、相手のミスにつけ込むことで儲けるのでは、プロとしてのプライドが許さないですよね。
 こちらこそ、よろしくお願いします。
鈴実
2005/12/15 02:53

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